ブラジル 発 “ ドラァグ クイーン 版 ” 「 ブエナ ・ ビスタ ・ ソシアル ・ クラブ 」
日本ではお茶の間でおなじみの異性装、もしくはトランスジェンダーのタレント、広く“オネエ系”と称されるさまざまな才能が活躍している。それは日本に限ったことではない。芸能に長けた異性装のパフォーマー、ドラァグクイーンは世界各国で独自の文化を築いてきた。
ブラジルの有名女優レアンドラ・レアルの監督デビュー作となる本作『ディヴァイン・ディーバ』 は、軍事独裁政権全盛の1960年代のブラジルで、固定的な道徳観念に勇敢に立ち向かい、人権と個人の自由を求める闘いの歴史上の決定的な瞬間を作った、伝説的な第一世代のドラァグクイーンたちのなかでも第一世代とよばれる、いわばドラァグクイーンカルチャー黎明期を支えた人々を追ったドキュメンタリーだ。彼女たちの拠点となったヒバル・シアターは、レアル監督の祖父がリオ・デ・ジャネイロに設立した劇場。創立70周年を記念し、この劇場から巣立ったレジェンド達を集めて「ディヴァイン・ディーバ・スペクタクル」が開催された。本作では、2014年に行われた彼女達のデビュー50周年祝賀イベントのプレミアに向かう様子が映し出される。長い間舞台の仕事からは遠ざかっていた高齢の彼女達に輝かしい60年代のシーンを振り返ってもらう構成だ。彼女達が語る波乱万丈でドラマチックな人生に貴重な歴史映像や写真が織り込まれ、ブラジルのサブカルチャーを紐解く史料的な価値をも見出すことができる。
CAST
ブリヂッチ ・ ディ ・ フジオス
Brigitte de Búzios
若い頃、とてもかわいらしかったため女優のブリジット・バルドーにちなんで、この名前をつけられた。ブリヂッチは、1964年ブラジルの最初の異性装ショー”Les Girls”(レ・ガールズ)という有名なショーグループの初めての女装家としてキャストされた。彼女はダークなユーモアセンスを持ち、自惚れる事なく女装した自分自身を笑える、とても教養のある女性である。201zxi98年6月6日にリオ・デ・ジャネイロで亡くなる。
STAFF
DIRECTION/SCRIPT/PRODUCER
Leandra Leal
監督 / 脚本 / プロデューサー レアンドラ ・ レアル
1982年9月8日、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ出身。国際的に活躍し、数多くの映画賞を受賞しているブラジル人女優。現在までに、25本の映画、12本のTVドラマ、6本の演劇に出演。13歳の頃に、ヴァウテル・サレス・ジュニオル監督の「The Oyster and the Wind」(97/未)で女優としてのキャリアをスタート、同作でフランス・ビアリッツ映画祭主演女優賞を受賞。以後主な受賞歴として、グラマド映画祭主演女優賞を2度、ブラジルアカデミー賞を3度受賞などがある。本作『ディヴァイン・ディーバ』が監督デビュー作品となる。